「描けないって思ってたのに、
なんだか描ける気がしてきた」

講座中そんなふうに、
受講者さんの表情が
ふわっとほころぶ瞬間があります。
価値や想いを
言葉だけで伝えきれない
もどかしさに悩んでいる人を救う。
「話す」「書く」だけじゃなく
「えがく」を加えた
伝える技術の新常識をつくる。
イラストプレゼン講師
かわしりみつはるです。
「棒人間」を使った
コミュニケーション講座や
プレゼン講座では。
参加する人の中には、
「絵が苦手…」
「人前で描くなんてムリ!」
って言う人がいっぱい。
でもね、そんな人でも、
ちょっとしたキッカケがあると、
「あ、これならできそう!」
って、一瞬で表情が
パッと明るくなることなんて
しょっちゅうです。

人が変化・成長するときには
“ちょうどよい支え”が必要だといわれます。
これは、
発達の最近接領域
(ZPD: Zone of Proximal Development)
っていう考え方があり、
これは、
旧ソビエトの心理学者
レフ・ヴィゴツキーによって提唱された、
教育や学習において非常に重要な概念です。
簡単に言うと
「ひとりでは無理だけど、
手助けがあればできる」
っていう場所のこと。

この“できるかもゾーン”が広がる瞬間、
わたしの講座の中でもよく起こる。
たとえば、
「絵なんて描けません!」
って言ってた人が、
丸と線だけで感情を表せるってわかると、
スッと肩の力が抜ける。
「隣の人に見せてみましょう」
って声をかけると、
はじめは恥ずかしくて躊躇する人もいるけど
しばらくすれば、会場に笑いが広がって、
あっという間にみんな描けるようになる。

最初は、ただの棒人間。
でもその棒人間が、
人の中の「やってみたい」を
そっと引き出してくれる。
それってまさに、
ZPDが広がってる瞬間なんだよね。
“足場かけ(スキャフォルディング)”
っていう言葉があるんだけど、
これは支援を少しずつ減らしながら、
自分の力でできるようにしていく方法。
最初はわたしのデモを見ながら描く、
次に誰かと一緒に描く、
最後にはひとりで描けるようになる。
この流れがあると、
いつの間にか「できなかったこと」が、
「自分にもできる」に変わってるんです。

そして
もうひとつ大切なのが、
「自己効力感」っていう気持ち。
「やってみたら、意外とできた!」
っていう経験があると、
自信になるし、次も挑戦しやすくなる。
その成功体験の積み重ねが、
その人の可能性をぐんぐん広げてくれるんだよね。
だから、
講座の中で起こる小さな
「できた!」の瞬間は、
実はすごく大きな意味がある。

技術だけじゃなくて、
その人自身が変わっていくプロセスだから。
これからも、
「できない」が「できる」に変わる瞬間を、
みんなと一緒に楽しんでいきたいと思う。
棒人間は、そのきっかけをつくる
魔法の道具なのかもしれないからね!
| アートディレクター&イラスト思考®講師 河尻 光晴 (かわしりみつはる) |
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| 住所 | 愛知県名古屋市 |
|---|---|
| 定休日 | 土・日・祝日 |