たった数本の線で
描けてしまう「棒人間」

このシンプルなイラストが
どうして人の心を動かし、
「自分も描いてみたい!」という
気持ちまで引き出してくれるのか。
今日はその秘密を紐といてみましょう!
価値や想いを
言葉だけで伝えきれない
もどかしさに悩んでいる人を救う。
「話す」「書く」だけじゃなく
「えがく」を加えた
伝える技術の新常識をつくる。
イラストプレゼン講師
かわしりみつはるです。
うまい絵やかわいいイラストは
世の中にたくさんあります。
でも、僕が一番うれしいのは
「この棒人間、描いてみたい!」
「これなら、描けそうだ!!」
と言われることなんです。

これはつまり、
「見るだけ」じゃなくて
「自分もやってみたい」と
思ってもらえたということ。
人の行動が変わるきっかけって、
実はこの「やってみよう」という
小さな気持ちから始まるんですよね。
棒人間の魅力は
なんといってもそのシンプルさです。
頭が丸で、体が線、手足が棒。
とっても単純なのに、
誰が見てもすぐに「人だ!」とわかります。

人の脳は、複雑なものよりも、
すぐに理解できる形を好むんです。
だから、棒人間を見たときには
「分かった!」という
小さな喜びが生まれる。
その“わかった”という
瞬間の気持ちよさが、
「これなら自分にも描けそう」
という安心感につながるんですね。
もうひとつ大事なのが、
“完璧じゃない”ということ。
そのゆるさが見る人の心を
ほっとさせるんです。
完璧な絵は「自分には無理」と
思わせてしまうこともありますが、
棒人間のようにちょっとラフで
簡単な絵は、自由さもあり
「これくらいなら自分にもできるかも」
と感じさせてくれる。
人が行動を起こすときに大切なのは、
この“安心感”もあります。

もうひとつ不思議なのは、棒人間を見ていると、
なんだか自分もその動きをしたくなること。
たとえば、手を振っている棒人間を見たとき、
思わず笑顔で手を振り返したくなる。

これは、見た動作をまるで
自分がやっているように感じる、
人間の自然な反応なんです。
だから「かわいい」だけじゃなく、
「自分も描いてみたい!」という
気持ちがわいてくる。
棒人間は、ただの絵ではなく、
見る人の中の“動き”や“感情”を
呼び覚ます存在なんです。
棒人間を描くと、
あっという間に完成します。

時間をかけなくても
「できた!」という達成感が得られる。
この小さな成功体験が、
気持ちを明るくしてくれるんです。
「できた」「楽しかった」という感覚は、
人の行動を続ける力になります。
だから、
一度棒人間を描くと、
また描きたくなったり、
誰かに見せたくなったりする。
そうやって小さな行動が
どんどん広がっていくんです。
僕にとって棒人間は、
「鑑賞の対象」ではなく「体験」です。
描くことで気持ちが動き、
心が少し前に進む。

そこに上手い・下手は関係ありません。
大切なのは、線に込められる“想い”なんです。
誰かが僕の棒人間を見て描きたくなり、
その人の棒人間を見てまた誰かが笑顔になる。
そうやって、
やさしい循環が広がっていく。
僕は、そのつながりの中心に
いつもこの小さな棒人間がいてくれる気がします。

今日もまた、誰かが
新しい棒人間を描いてくれたらうれしいです。
その一筆が、
あなたの心を少し軽くして、
次の一歩を踏み出す
きっかけになるかもしれません。
| アートディレクター&イラスト思考®講師 河尻 光晴 (かわしりみつはる) |
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| 住所 | 愛知県名古屋市 |
|---|---|
| 定休日 | 土・日・祝日 |