棒人間のちょっと不思議な力 ━━━
僕のワークショップには、
本当にいろんな方が来てくださいます。
老若男女問わず、
「絵なんて描けません!」という方もいれば、
もともと絵が得意な方もいらっしゃいます。
おもしろいことにそこには
絵の上手いかどうかって、
あんまり関係ないんですよ。

価値や想いを
言葉だけで伝えきれない
もどかしさに悩んでいる人を救う。
「話す」「書く」だけじゃなく
「えがく」を加えた
伝える技術の新常識をつくる。
イラストプレゼン講師
かわしりみつはるです。
絵を描く講座・ワークショップなのに
どうして得意不得意が関係ないのか。
それはね、
絵の仕上がり以上に、僕は
「描く」という行為そのものに
大きな意味があるからなんです。

もちろん上手に描けたら嬉しいし、
それも素敵なこと。
でもそれとは別に、
手を動かして「描く」
というその行為のほうにも、
重要な意味が宿っているんですね。
手を動かしながら
ペンを走らせているうちに、
だんだん夢中になって、
気づけば没頭している。
子どもの頃に無心で落書きに熱中していた、
あの感覚を思い出す方も多いです。
そうやって夢中になっているうちに、
頭だけでは動かなかった考えが
ひょいと生まれてきたり、
気持ちまでふっとほどけていったり。
無心になれる時間そのものが、
僕たちをより自由でクリエイティブな
状態へ連れていってくれるんですね。

棒人間を描いてもらうと、
みなさんよく
「こんなにシンプルな線で、気持が表せるんだ!」
って驚かれます。
これって、絵が得意な人も
そうでない人も関係なく味わえる、
絵に対する新しい発見なんですよね。
「描けません」と言っていた方が
一本の線でぱっと目を輝かせるのも、
得意な方が
「描くって、こんな使い方があるのか」と
ニヤッとされるのも、実は同じこと。
うまいへたの先にある「描く」という行為が、
その人の中に変化を創りだしてくれるんです。

こうした感覚を裏づけてくれそうな
学術理論をまた一つ紹介したいと思います。
マサチューセッツ工科大学の
シーモア・パパート教授が提唱した

人は、実際に何かを作りながら
考えるときに、いちばん深く学べる
という考え方なんです。
誰かに正解を教わって覚えるんじゃなくて、
自分の手で何かを作りながら、
自分なりに発見していく。
しかも正解に縛られなくていい。
うまくいかなかったら
「なんでだろ?」と考えて直してみる、
その試行錯誤こそが力になる
手を動かして考えると、
大人がいつのまにか忘れてた見方や
エネルギーがよみがえってくる、
とも言われているそうです。
まさに
手を動かしていくことで生み出される
「自分で気づいていく学び」です。

もともとはコンピューターが
広まりはじめた頃に生まれた考え方で、
「正解を覚える」従来の学びとは違う、
新しい学びの流れをつくってきたんですね。
今でもレゴで想いや思考を形にする研修や、
プログラミング学習で注目されています。
正解がひとつに決まらない、
変化の速い時代だからこそ、
「まず手を動かしてみよう」
というあり方が
今の学びの場に求められています。
だからこそ、そのワークにどれだけ
身体を使って、動きながら
夢中になれるか、没頭できるかが、
学びの場づくりのすごく大事なポイントに
なってくるなあと思うんです。
少しずつできていく達成感、
描くこと自体の楽しさ、
曖昧なものが可視化されていく喜び
そして誰かと「いいね!」って
共感し合えるうれしさ。

そんな感覚に
自然とのめり込んでいける
空間をつくること。
コンストラクショニズム
という概念に触れるだけでも
棒人間を伝えていく上での
腕の見せどころなんだろうなあって、
あらためて武者震いしますね!!!

| アートディレクター&イラスト思考®講師 河尻 光晴 (かわしりみつはる) |
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| 住所 | 愛知県名古屋市 |
|---|---|
| 定休日 | 土・日・祝日 |